日常を独自の目線で笑い飛ばしていきますー!

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あべこべ

~プロローグ~



「宇宙からみた地球」を表すときの代表的な名言といえば、

人類初の宇宙飛行を果たしたガガーリンの言葉が有名です。



地球は青かった。」



その言葉に象徴されるように、

広い銀河系の中で青く輝く地球の写真は、

息をのむような美しさがあります。




長い年月をかけて育まれた豊かな自然。

そこに暮らす多種多様な生物。



地球は今日も、さまざまな「命」の営みをのせて、

回り続けています。










野生の生物が暮らす、アフリカのサバンナに移動しましょう。


ライオン、シマウマ、ヒヒ、イボイノシシなど、多数の野生動物を見ることができます。


ここでは、

それぞれが、それぞれの立ち位置、役割の中で、

分相応の暮らしをつつましく生きています。




また、生きるために、他の種の「命」をいただくこと。

自然界は食物連鎖のバランスで成り立っているのです。










不思議なところを発見しました。


どこの世界にも「治外法権の地」は存在するものです。

ここでは「ある一つの目的」のもと、皆が協力しあって暮らさなければならないルールがあるようです。

やることはいっぱいです。


けど、安心なのは、様々な種の生物がいることです。

これだけ多くの生物がいれば、心強いですね。





狩りの時間になりました。

ライオンやチーターは、当然のように狩りにいく支度に取り掛かります。

大勢の「命」を預かる責任重大な役目。

仕事にも一層熱が入ります。




その時です。

ねずみの集団が声をあげました。

「やい!ライオン!!お前らはいつもカッコイイ役目ばかりでズルいぞ!これからは俺たちが狩りにいく!」


ライオンが言いました。

「いやいや。俺たちには、大草原を颯爽と駆けられる早い足と鋭い牙がある。多くの命を守るためには、俺たちが出ていかなければならないだろう。」


ねずみは引き下がりません。

「誰がそんなことを頼んだ!そういって、いいところを横取りするつもりだろう。お前らにできることが、俺たちにできないはずがない」



とうとうねずみたちは、ライオンの静止をふりほどき、狩りに出かけてしまいました。




今日の成果は、

小さな「くり」と「どんぐり」が20個ほどしかありません。


ですが、小さなねずみにとっては、食べきれないほどの量です。

だから、ねずみは気が付きません。


「ほらみろ。こんなに食料をとってこれたんだから、今日から狩りは俺たちの仕事な!」


得意気な表情で叫ぶ「ねずみ」を前にしては、

気の優しい「ライオン」たちは何も言えません。




ねずみとライオンには、歴然とした「力の差」があることを、ライオンはよく知っています。

力の強い自分が、力の弱いねずみに対して対等にものをいうのは、フェアじゃない。

ライオンは強い。だからこそ強いものには、むやみやたらに「力」を振りかざしてはいけないという責任がある。

そう考えていたのです。



ライオンは困惑しながらも、

ねずみのはじめての狩りを、一緒にお祝いしてあげました。





しかし、皆がお腹を空かせている状況はなんとかしなければなりません。

仕方なく、ライオンは足りない分の食料を探しまわり、

皆の部屋にコッソリと置くことにしました。








水浴びの時間となりました。


多くの動物たちと一緒に、ゾウは張り切って、湖に向かいます。

(得意の鼻がようやくみんなの役に立つときがきた!頑張って水をかけてあげなきゃ!)

ゾウは使命感に燃えていました。




湖に到着すると、カバは言いました。

「ゾウばっかりズルいや!今度からは俺がヤル!」

ゾウは困惑します。

この中で一番で適任なのは自分です。

けど、それを自分からいうのはなんだか気が引けるのです。


そうこうしている内に、

カバに役目をとられてしまいました。


当然ながら、渋滞の嵐。

ゾウは自分の弱さと、カバの強引さに、

なんだかとっても疲れてしまいました。






この世界では、こういったことがアチラコチラで起こり始めます。


当然、食べ物は困窮し、生活に支障が出始めましたが、

ライオンやゾウなど、本来の立ち位置を奪われた生き物たちが、

多種のあずかり知らないところで、必死に皆の生活を支えていました。


だから、この危機的状況が表には見えにくく、多種は全く気が付きません。







自然の摂理に従い、分相応に役割を決めて協力しあえば、

こんなことにはなりませんでした。



ですが、ここでは「多数決」が、なによりものをいいます。


食物連鎖を思い浮かべてください。


力の強い肉食動物よりも、力の弱い生き物の方が、はるかに数は多いのです。



力の弱い生き物たちは、肉食動物たちにコンプレックスがありました。

「自分だってできるさ!」

多種のことなんて考えてはいません。

(自分が1番目立ちたい。)

その気持ち一つで、大切な役割を次々と決めてしまいました。






キリンをさしおいて、木の実をとる係になったウマ。

ウサギはなぜか、水泳のコーチになりました。

手先が器用なはずのサルは、荷物番のお仕事です。

ライオンの表向きの役割は、山菜採り。




おかしさが更におかしさを呼び、

皆も、何が合ってて何が間違えているのか、

もはや誰にも分かりません。



1か月もたつと、発言権の強い「ねずみ」に、こびる多種もあらわれました。

ねずみはますます有頂天です。








あべこべな「序章」ではじまった、この奇妙なストーリーは、

私の現在の職場をモデルにしています。

 

なんだか、現代社会の縮図のようだね。