年齢
私には憧れてた年齢があった。
まずは7歳。
私は七夕生まれなもんで、
7月7日生まれ、7歳です!
っていう自己紹介に並々ならぬ憧れがあったんだよw
7がみっつ揃ったラッキーセブンな星の元に生まれた私をみんな見て!
そんな自意識過剰な自己紹介を日夜夢見てたのだ。
7歳になった1年間は、聞かれてもないのに自己紹介をしまくったw
どうせなら、名前もナナちゃんに改名したいくらいだ。
そしたらさ。
数年後、漫画NANAのブームに便乗して、私もモテモテの学生時代を過ごせたかもしれないのに。
NANAに憧れる男子生徒の心を鷲掴み。
NANAはしょせん漫画の中の架空のキャラクター。リアルナナのあたしで我慢しなって好きな男子を言いくるめ、自分に振り向かせることだって出来たかもしれぬ。
まぁ、それくらい7という数字にやたら執着していたんだ。
次に憧れたのは14歳。
当時の私にとって14歳は、男女交際をスタートさせるのに最も適した年齢に思えたのだ。
毎月届いていた進研ゼミの漫画コーナーにも、制服姿の女の子に初めて彼氏なる存在ができたり、愛しのあの子にラブレターを書く様子が赤裸々に登場していたんだ。
進研ゼミは教材だったので、必ずオチとしては勉強を頑張る女の子というシーンで終わっていたが、恋も勉強も頑張る女の子像にわたしの胸はときめいた。
私の中学校生活にも、そんな甘酸っぱいことが起きるのかしら。
早く14歳になりたいな。
そんなことを考えていた。
14歳になった私は、クラスメイトの中から彼氏候補を物色してみた。
どうしよう。。
どいつもこいつもタイプぢゃない(笑)
そもそも恋心すら何なのか分からなかった。
体育祭の日。
1番盛り上がるクラス対抗の男子リレーが行われた。
すると、クラスメイトの竜巳くんが、並みいるツワモノ達をどんどん引き離し、華麗にクラスを優勝に導いてくれたのだ。
そもそも竜巳は陸上部で1番期待されるエースランナー。
見た目はまったくタイプではないが、竜巳というのはなかなか良い男ではかいか。
ちなみに私は、
何とも思ってなかったクラスメイトを突然意識しはじめるシュチュエーションにも憧れをもっていた。
よっしゃ!竜巳を意識してみましょう!
と、早速竜巳を数日間観察してみることにした。
ふむふむ。
竜巳は、不器用タイプの口数が少ない男なのね。
そして何より優しいし、自分の足の速さをひけらかすような言動も全くみられない。
竜巳、いいかもしれない!
私はすぐに竜巳に告白して見ることにした。
すると竜巳は戸惑いながらもすぐにオッケーしてくれたんだよ。
14歳で念願の彼氏ができた!
ところがだ。
わたしは早速その夜に憂鬱な気分になってしまったんだ。
私は恋がしたくて、その相手として良い人だからって理由で竜巳を選んでしまって、しかも自分から交際を申し込んだ。
けど、それって好きとは全然違うことに気づいてしまったんだ。
人を好きになるって、スペックや条件とかぢゃない。
もっと心の奥側から湧き上がる好きという感情がないと付き合えないって実感してしまったんだ。
私は言いにくいけど、竜巳にそのことを伝えたんだ。
自分から言ったのに本当にごめんってさ。
竜巳はすぐに大丈夫だよっていってくれた。
自分の軽率な行動で優しい竜巳を振り回してしまったと反省。
でもそこで、次からは憧れとかではなくて純粋に好きな人が現れたら行動しよう!って決めたんだよね。
ほろ苦い14歳の秋の出来事だった。
次に憧れたのは17歳。
なんだか17歳って特別な年齢に感じたんだ。
小説や歌でも17歳って年齢が頻繁に出てくるぢゃない。
自分の人生の舵取りをどうしていくか具体的に意識する年齢だし、大人でもなければ子供でもない。
そんな中途半端な年齢にしか味わえない葛藤や甘酸っぱい青春に、私は心を弾ませていた。
思った通り、17歳は激動の年だった。
私の声の持病が発症したり、無期停学になったり、退学の危機を前に自分の周囲の人の優しさに気づいたり、学校という息苦しい狭い空間での自由、社会のこと、自分の人生について考えた。
大人でもなく、子供でもない、未熟な私の心の叫びが溢れた一年だった。
甘酸っぱい展開はなかったにしても、17歳という特異な年齢だけに訪れる青春を過ごしたのは間違いない。
次に憧れたのは25歳。
私は19歳から付き合ってた彼氏と25歳で結婚する約束をしてたんだ。
当時から私には夢があったから、とりあえず仕事をめいいっぱい頑張りたい。
25歳といえば、社会人7年目である。
7年もスキルを磨き続けたら、ある程度の結果は出るんぢゃないか。そしたら満足である。
25歳になったら、結婚して落ち着いて、彼氏と事務所でも構えて、私は子育てしながら家で仕事をサポートする。
明るい家族計画である。
だから、25歳は特別な年齢。
それまでは色んなことに挑戦するつもりだった。
現在、私は28歳。
独身である(笑)
憧れは憧れとして散り、私は新たな目標に向けて邁進する日々である。
そして、自分の中で変化がおきた。
昔から一定の年齢に憧れをもって生きてきたが、最近はそういって憧れは一切なくなったんだ。
何歳になったらこうしたいではなく、
今の私はそうゆうベクトルで物事を見なくなっていったのだ。
28歳にもなると、周囲からはやたら年齢を引き合いに出してくる。
彼氏はいないといえば、まだ28だからそんなことをいえるんだとか、
結婚願望もないといえば、あっという間にそんなことを言えない年になるよとか。
有り難い反面、わたしは既に年齢に対する意識を25歳を区切りに卒業してしまったので、キョトンとすることが多い。
女としての幸せは、自分の人生であったらあったでとても嬉しいけど何がなんでも叶えたいことではないだ。
それよりも、自分の人生で何がなんでも叶えたいのは、幼いころからの誰かの力になれるものを生み出したいって夢だ。
日々の仕事を積み重ねながら、今やるべきことも大切に、そして本当に叶えたい目標も常に胸において毎日を過ごす。
そんな日々は、私にとってとてもハリがあり、幸せな人生だと感じさせてくれるんだ。
最近嬉しいことに、恋でもしてるのか、綺麗になったと言われることが多い。
周囲が感じる私の目の輝きは、今年に入って自分を取り戻しつつあることと、日々を大切に過ごすようになったこと。
そして何より、
目指すべき道を心の眼で真っ直ぐに捉えているからだと思っている。